GMSソルバーは、3次元弾性波動方程式を不連続格子3次元差分法により解くプログラムで、地震動を効率的にシミュレートするためのシステムGMSの一部です。ほとんどの部分がISO標準Fortran90で書かれており、ユーザーインターフェースおよび入出力部分が完全に切り離されているため、研究目的・実務目的にソースの変更が容易です。
また、Aoi&Fujiwara(1999, BSSA)、青井・藤原(1998, 10JEES)の不連続格子を採用することにより、計算機負荷(計算時間・メモリ容量)を数分の1から十分の1程度に軽減しています。
FDMakeで作成したGMSパラメータファイル、及びGMSコンダクターファイルを読み込んで、地震動を計算できます。
計算した地震動はGMS波形ファイル、GMS2次元ダンプファイル、GMS3次元ダンプファイルに出力されます。
計算作業が途中で停止した場合でも、出力ファイルはGMSツールで読み込むことができます。
Windowsでは付属のユーティリティーツールSolverRunnerを使うと、出力ディレクトリの構成、実行・停止を簡単に行うことができます。
Linuxでは付属のユーティリティーツールgmsctlを使うと、出力ディレクトリの構成、キューシステムへの登録などを簡単に行うことができます。
WindowではMPIによる並列計算が可能で、計算時間を短縮できます。
SolverRunnerを使うとGUIを用いて、さらにかんたんに実行できます。
FDMakeで作成したGMSパラメータファイル、及びGMSコンダクターファイルを、書き込み可能な一つのディレクトリに配置します。
出力ディレクトリを作成します。
コマンドプロンプトでGMSソルバーを起動します。
ログが出力されます。
FDMakeで作成したGMSパラメータファイル、及びGMSコンダクターファイルを、書き込み可能な一つのディレクトリに配置します。
出力ディレクトリを作成します。(gmsctlを使う場合は自動で行われます)
GMSソルバーを起動します。
ログが出力されます。
GMSソルバーが終了したら、解析ツールのあるコンピューターに出力ファイルを転送します。
Windows, Linuxユーザ向けに、コンパイル済みバイナリが同梱されています(Win64bin/gms_solver.exe,
Win64bin/gms_solver_mpi.exe, Linux64/gms_solver)。他の環境でソルバーを使用する場合、もしくはソースをカスタマイズする場合は以下の方法でバイナリを作成してください。
Solver/srcディレクトリに含まれているMakefileをエディットした後にmakeします。動作確認した環境についてはコンパイルオプションマクロがあらかじめ定義してありますので、適宜コメントアウトを外してください。
また、HDF_INTALL, ZLIB_INSTALLを適切に定義してください。
Solver/VisualFortranディレクトリのgms_solver.vfprojをダブルクリックしてIDEを立ち上げ、ビルドしてください。