GMSオンラインヘルプは GMSを使うために必要な情報を提供しています。この文書には、GMSツールの使い方、GMS APIプログラミングに関する情報、チュートリアル、技術文書などの情報が含まれています。初めてこの文書を読む場合は、オンラインヘルプの使い方を参考にしてください。
GMSは、不連続格子3次元差分法(Aoi&Fujiwara, 1999)を用いて不均質媒質中の弾性波動伝播問題を計算し、地震動を効率的にシミュレートするためのシステムです。
ユーザは震源・構造・入出力・計算条件などの大量のパラメータをWindows上で簡便に設定・管理することができるため、「簡単な3次元波動伝播シミュレーション」が可能になりました。一方、大きなマシンパワーが必要な差分計算ソルバーは、Unixなどの計算サーバで実行します。データ受け渡しには汎用的ファイル形式であるHDF5を使用することにより、高速・省スペース・ネットワーク透過なファイル交換を実現しました。
ここをクリックすると不連続格子3次元差分法に関する文書を読むことができます(Adobe
Readerが起動します)。
GMSは以下のツール群から構成されています。
GMSソルバー(計算ソルバー)
差分計算を行うプログラムです。ほとんどの部分がF90でかかれており、ユーザーインターフェースおよび入出力部分が完全に切り離されているため、研究目的・実務目的にソースの変更が容易です。Windows用、Linux用のコンパイル済みのバイナリが同梱されています。
FDMake(パラメータ作成ツール)
GMSソルバーで計算をするための入力パラメータファイル設定用ツールです。GUIによりお絵かきソフトを使うように視覚的・直感的にパラメターを設定できます。差分格子の自動作成機能、観測点・震源などの設定機能、構造内挿機能等ほぼすべてのパラメター設定がGUIを用いて行えます。
GmsSee(計算結果表示ツール)
2次元・3次元のダンプファイルを一括して管理することができ、カスタマイズ可能なカラースケールによる振幅分布図をGUIを用いて作成することができます。また、最大振幅分布図の作成も可能となっています。
SeriesDump(差分計算結果ファイル結合ツール:補助的ツール)
GMSソルバーの計算結果ファイルのうち、同じ成分の2次元ダンプファイル同士、あるいは3次元ダンプファイル同士を結合することができます。たくさんのファイルがディレクトリにあることによる、ファイルシステムの性能低下を防ぐことができます。
SeriesDumpG(差分計算結果ファイル結合ツール:補助的ツール)
Windows上でSeriesDumpの機能をGUIにより実行するためのポスト処理アプリケーションです。
SeriesFilter(差分計算結果フィルタ処理ツール:補助的ツール)
GMSソルバーの計算結果ファイルのうち、SeriesDumpによって結合済みの2次元/3次元ダンプファイルに数種類のフィルタ処理を行い、同じ次元のダンプファイルに出力することができます。
SeriesFilterG(差分計算結果フィルタ処理ツール:補助的ツール)
Windows上でSeriesFilterの機能をGUIにより実行するためのポスト処理アプリケーションです。
SeriesConv(差分計算結果データ形式変換ツール:補助的ツール)
GMSソルバーの計算結果ファイルのうち、2次元GMSダンプファイルを他のデータ形式に変換します。
SeriesConvG(差分計算結果データ形式変換ツール:補助的ツール)
Windows上でSeriesConvの機能をGUIにより実行するためのポスト処理アプリケーションです。
StructExpand(差分構造データ変換ツール:補助的ツール)
等間隔の差分構造データを読み込んで、外側に構造を拡張することができます。また、複数の入力形式をサポートしているため、構造データの変換ツールとして使用することも可能です。
WaveView(波形表示・変換ツール:補助的ツール)
GMSソルバーが出力した波形ファイルを読み込むことができ、波形を群表示することができます。また、K-NET Ascii形式などの他形式に変換して保存することができます。
ProjectExplorer(GMSファイル内容表示ツール:補助的ツール)
HDF5形式のGMSファイルの内容を表示するためのツールです。FDMakeにより作成したGMSファイル(GMS構造ファイル、GMS観測点ファイル、GMS震源ファイル、GMS波形ファイル、GMS境界面ファイル、GMS座標変換ファイル)を読み込み、それらの内容を表示します。
Gms2Knet(データ形式変換ツール:補助的ツール)
GMSソルバーの計算結果ファイルのうち、GMS2次元、3次元ダンプファイルをK-NET Ascii形式の波形ファイルに変換します。
Gms2KnetG(データ形式変換ツール:補助的ツール)
Windows上でGms2Knetの機能をGUIにより実行するためのポスト処理アプリケーションです。
StructBuilder(深部地盤構造切り出しツール)
GMSソルバーで計算をするための入力ファイル形式の一つである詳細法深部地下構造モデルデータの記述ファイル規約に従ったファイルを生成するツールです。GUIにより視覚的に深部地下構造を切り出すことができます。
SMDA2(Strong Motion Data Analysis 2:外部ツール)
K-NETフォーマットの地震波形データの表示・解析を行うためのツールです。防災科研が運用している強震観測網のプロジェクトの一部として開発・提供されています(無料)。
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