GMSでは、非弾性減衰をGraves(1996)のモデルで扱っています。
媒質の一般的な非弾性減衰を考慮するには応力と歪みとのコンボリュ-ションの操作が必要ですが、単純な陽解法を維持できなくなり、計算に必要な記憶容量や計算時間が格段に増大します。
Graves(1996)では、以下の条件を課することで、現実的な計算機資源での計算を可能にしています。
限られた帯域波の計算を前提する
非弾性減衰による位相速度の分散性を無視する
P波とS波のQ値を区別しない
周波数に比例するQ値を仮定する
操作としては、各時間ステップの速度場および応力場に指数関数型の減衰項を乗じています。
物性値定義ファイルで記述するQ値は、FDMakeのWizardで指定する基準周波数('Reference frequency for Q-value')での値です。